2008年夏
10年住んだ北海道をいよいよ離れるとき
妻と二人ロードトリップに出掛けました。
いったん定住してしまうと、いつでも行けるような気がして、なかなか色々な場所に行ってみようとはならないものです。
もちろん北海道は本当に大きいのでガス代も時間もかかるのです。
でも、結局ぐるりと廻ってみたのでした。
山が少なく平野が多い道東方面は特に未知の世界でした。
神の子池は弟子屈に住む妻の友達が特に勧めてくれた場所です。
地図と目立たない看板をたよりにたどりつきました。
でもそのくらいがいいのかもしれません。
コバルトブルーをした小さな池です。
その日の気温は北海道とはいえ25度以上はあったでしょうか
水面にカメラを近づけた瞬間に立ちのぼる冷気で
フワッとレンズが曇ったのです。
水温は年間を通じて8度くらいしかないそうです。
青い湖水に差す木漏れ日が滲んでいました。
常に澄んだ水が湧き出ているのは地底で摩周湖とつながっているからだろうといわれています。
文 樋貝吉郎